暗号資産取引による所得を計算する際には、「取得価額」を算出する必要があります。
その算出方法には、「総平均法」「移動平均法」と2種類の計算方法があります。
対象年度に暗号資産を複数回購入または売却された場合、当社では「総平均法」に基づき、暗号資産ごとの平均取得価格を算出しております。
詳細はこちらで確認ください。
※1)「総平均法」とは、昨年度より繰り越された暗号資産と、今年度購入された暗号資産の購入金額と数量をそれぞれ足し、割り算して平均取得単価を計算する方法です。
暗号資産の「取得価額」については、移動平均法で計算することが原則とされているところ、継続適用する場合に限り、総平均法によることが認められています。複数の暗号資産取引所でお取引をされているお客さまにおかれましては、ご自身が行った暗号資産取引における「取得価額」が総平均法で計算されているのか移動平均法で計算されているかにつき、ご注意ください。ご不明な点がある場合は、税務署及び税理士までご相談ください。
当社の『年間取引報告書』は、お客さまが当社で行った暗号資産取引による所得を簡単にご確認いただけるよう、「総平均法」による取得価額を基に、合計取引金額を計算しています。
※2)移動平均法に基づく取得価額に関しては、お客さまご自身で、取引残高報告書および取引報告書を基に計算を行っていただきますようお願い申し上げます。
この合計取引金額からさらに計算される合計損益が、実際の課税対象となります。
【計算例】下記では、対象年度の暗号資産取引(販売所、暗号資産FX)の合計損益が課税所得となります:
(1)ビットコインの現物取引(販売所)による損益
①1BTCあたりの取得単価を求めます:
1BTCあたりの取得単価
=購入金額 ÷ (購入数量+キャンペーンでの獲得数量)
=27,695,861円 ÷ (87.604BTC + 0.341357BTC)
=314,921円(※端数切り上げ)
②対象年度における取得価額の総額を求めます:
取得総額
=1BTCあたりの取得単価 × 売却数量
=314,921円 × 56.591BTC
=17,821,694円(※端数切り上げ)
③年間取引報告書に記載された「売却金額」から、上記②で求めた取得総額を引いて損益を計算します:
売却金額 - ②取得総額
=20,774,832円 - 17,821,694円
=2,953,138円
(2)リップルの現物取引(販売所)による損益
計算例において、対象年度におけるリップルの「購入数量」と「売却数量」が同じであるため、年間取引報告書に記載された「売却金額」から「購入金額」を引いて損益を計算します:
売却金額 - 購入金額
=5,269円 - 2,696円
=2,573円
※計算例での年間取引報告書には、対象年度に購入したライトコインについても購入金額の合計値に含まれていますが、ライトコインについては対象年度に売却していないため、対象年度の確定申告の計算対象外になります。
なお、ライトコインの「購入数量」「購入金額」は、ライトコインを売却した年度の確定申告において取得価額の計算に必要となりますのでご注意ください。
(3)証拠金取引(暗号資産FX)による損益
年間取引報告書に記載された「損益合計」の金額「-5,635,446円」が損益となります。
(4)損益の合算
上記(1)〜(3)の損益を合算します:
各商品合計損益
=(1)+(2)+(3)
=2,953,138円 + 2,573円 - 5,635,446円
=-2,679,735円
計算例では、対象年度における当社での暗号資産取引の合計損益がマイナスとなったため、当社においてのみ暗号資産のお取引している場合は、申告すべき雑所得はないことになります。
他社でも暗号資産のお取引があった場合、上記(4)の合計損益「-2,679,792円」は他の取引所における取引の損益と通算できますが、雑所得以外の所得との損益通算はできませんのでご注意ください。
また、当該損益は翌年度に繰り越すことはできません。
※ 2019/12/31に交付された2019年の年間取引報告書は、フォーマットが変更となりましたのでご注意ください。
また、年間取引報告書の詳細は「年間取引報告書の見方について教えてください」よりご確認いただけます。
※なお税金については、税理士・税務署の方へご確認いただようお願いいたします。